お家に帰ろう。
しばらくしてから、母が
明の部屋に居る二人を呼んだ。


「どーもでーす。」


なんだかんだ言っても、
先にリビングに踏み出した哲司が、調子良く声をかける。


「ぷっ。」

明が吹き出した、その瞬間…
遥の彼氏も、母も
緊張が解けた顔で笑っているのがわかった。


「妹さんの彼氏?」

「そんな様なモン。」

「違いますぅ!」

「通り掛かりの近所の者でーす。お邪魔しまーす。」

「このふたり、一緒に寝ちゃうんだから。」

「寝ないよ!いつの話ソレ。」

そこへ、

「一緒に育ってるから兄弟みたいな感じでね、いつも遊び来てるのよね〜てっちゃん!はい、どれにする?」

母親がケーキを持って入ってきた。

「あ、俺コレ!」

「う。あたしもソレ。」

「俺、客だよ。」

「あれ、いーのかなぁ?合コ」

「どーぞどーぞ。」

「えっへっへっへっ」


そんな二人を見た遥は、

「…なんの話?」

「なんでもないよ。」

「ふ〜ん。じゃあテツ、私のと取り替えたげる。」

と、機嫌良く言った。


「いーの?さすが遥!…ちゃん。誰かさんとは大違い。」

「そんなの、彼氏の前だからに決まってるでしょ」


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