お家に帰ろう。
コーヒーショップに向かい前を歩く哲司に、将人が聞いた。


「なあ、いつから知ってた?」

「そんなの去年だよ。」

と、哲司は振り返り、

「…ったくよぉ…」

呆れた表情をする将人を待って、並んで歩きながら話しを続ける。


「知らないフリも限界だよぉ。」

「…明は知ってんのか?おまえが知ってること。」

「言ってない。多分ヤだろうなぁと思って…だって俺もヤだもん!互いに弱みは握らせないって感じ。」

「へぇ…何でも話し合ってんだと思ってたよ。」

「だったら、こーしてマサ君のとこに来ないっしょ?」

「じゃあ、市川って奴とのことも?」

「なんも聞いてない。」

「…」

「あ〜。気にしてたんだ〜。」

「るせ。」


先に店に入った将人は、さっさと注文を済ませて、コーヒーが出てくるのを待つ。


「ごちっす。」

「うぃーす。」


二人分の代金を払う哲司を待ってから、

「で?話ってなんだよ?」

話は本題へ。


「ホラ、前にマサ君が言ったじゃん。」

「何だっけ?」

「遥が…どーのって…」

「え?」


コーヒーを持って足を止め、哲司を見る将人。


「…えぇ〜〜!!」

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