お家に帰ろう。
ある日の夜のこと。


「これって、もう梅雨?」


風呂からあがってしばらくしても明はキャミソールと下着姿でいた。


「まったく…女しか居ないとなると、そんな格好で歩き回って〜!」

「だってムシ暑いんだもん。」


明は冷蔵庫からビタミン入りの清涼飲料水を取り出し、グラスに注いだ分をゴクゴクと飲み干した。


「そーやって水分ばかりとってるからご飯が入らないのよ。」

「ふわぁーい。」



ダラダラとソファーに横になった明を、母と遥は呆れて見ている。


そんな時、

「明は胸があるねぇ。」

遥が言った。


「え…」

自分の胸を見下ろす明は

「そろそろ生理がくるから、今ちょっと張ってるかも。」

何気なく言い返す。


「それにしてもさぁ…葉月おばさんはお母さんより胸あったの?」


そんな遥の言葉に、

「失礼ね!でも、確かにあたしよりグラマーだったかも…」

「遺伝か…」

その瞬間、

「あはははは……」


女だけの上條家の夜のリビングも、それなりに賑やかなものだった。

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