お家に帰ろう。
それから30分もしないうちに、
遥と吉岡は出て行った。


「任務終了〜!さっそくですが明ちゃん、写メ見せてもらおうか。」

「あんたの希望ばっかりはムリだかんね。かーいー子には彼氏いるし。」

「ちょうど別れてっかもしんねーじゃん。」


右手を広げて前に出し、
“ケータイよこせ”とばかりに、
上下にゆらす哲司。


「それはさ、性格に何か問題アリなのかもよ。」

「そんなの俺が直したる。」

「そーゆーこと言ってる男が騙されやすいんだよ。」

「じゃあ、完璧なの連れてこい。」

「そんなのが、あんたなんか相手にするわけ無いじゃん。声掛けるこっちの身にもなってくんない。」

「わかったよ。こっちも選りすぐりのメンツ揃えてやっからな!」

「あてにはしないけどね。」


そんなこんなで当日……


明が知ってる顔は、哲司も入れて二人だけ。


哲司も意地をかけ、だいぶ頑張ったとみえ、
明の揃えたメンバーには、かなり好評だった。


やはり、仕切るのは哲司。

何気なく明の隣に誘導した男が、哲司が前に言っていた
“イチオシ君”なのであろうか…

何も知らないはずの女性陣全員、彼が気になっている様子だった。


しかし、仕切っているせいか、
皆、哲司は気軽に話しかけ、
近くに座りたがっているのがわかる。

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