お家に帰ろう。
哲司の気合いの入れ様を知っていた明だったので、
当日の、その服装やヘアスタイルについては、目をつむってみたものの…

コレといって、
いつもと変わらぬ態度や喋りが、なぜか周りにウケていることが気になっていた。


そんな珍しい光景を目のあたりにしてた明は、

(へー。集られてんじゃん。)


不思議な気持ちで、
その様子を見つめていた。


「気になる?」


突然、イチオシ君にたずねられ、

「え?う、ううん!何がそんなにおもしろいのかなぁって…あの馬鹿、調子にのせられてるから。」

「あはは、だっていつもあんなじゃんアイツ。」

「そーだけど。」

「ヤキモチだったりし」

「ない!」

「早っ。」

「じゃなきゃ、今ここに居ないでしょ?あたし。」

「…ならイーけど。」

「てか、鏡見て知ってんでしょ?」

「は?」

「今日だって多分、皆イチオ…市川くん狙いだよ。テツは、その繋ぎにモテハヤされてるだけだって。バカだねー、早く誰か教えてあげないと…あ、あたしの役か?」

「君おもしろいね。よく喋るし。」

「そ?」

「俺、あんまり喋るのウマくないから…」

「あたし別に、おもしろキャラじゃないんだけどなぁ。」

「君が良いって、俺が言ったんだ。」

「?」

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