お家に帰ろう。
「だって、デートなんて初めてだったんだもん!」

「あ…」

「つきあうって、こーゆーことなんだぁって!」

「そっか…(兄貴とじゃ、堂々とってワケにはいかないもんな…)。」

「でも、今は実感してるの!恋人ってヤツを体験中〜!」


そんな明の様子を見て、軽く微笑み、市川は言った。


「…なるほど。俺の入る余地ナシってことだ!」

「でもね!」

「ん?」

「あの頃の経験があったから、今があるんだって思ってる!」

「…」

「本当だよ!」

「つまり、俺は明ちゃんに、男とのつきあい方を教えることができたってコト?」

「あはは、そーゆーこと!」

「ったく!踏み台にされたよ!まいったなぁ!」

「…ホント、感謝してます。あの時の気持ちは、きっと忘れない。“青春”て思い出をくれて…ありがとう。」

「…こちらこそ。」

「…」

「幸せに…な。」

「市川くんも。いい人見つけてね!」

「うん。頑張ってみるけど、こればかりは、相手がいることだからなぁ!」

「だね!そーだったそーだった!」

「他人事だと思ってるだろ?」

「そんなことないよ!」

「うそだ!絶対思ってる!」

「えー、なんでー?」

「目が言ってるよ!」

「うそだねー!」…………………………………………………………
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