運命の恋


――――――


鳥の鳴き声が城中に朝の訪れを告げる。



キッチンからは焼きたてのパンの香ばしい匂いが漂っていた。



「おはよう」



国王アルヴィンは朝食をとるために部屋へと足を運ぶ。



「おはようございます」

「おはようございます、お父様」



すでに部屋の中にいたフェリシアとアラーナは、アルヴィンの姿を見ると椅子から立ち上がり笑顔であいさつをした。



アルヴィンがいつものように椅子に腰を下ろすと、途端にたくさんの料理が運ばれあっという間にテーブルを埋め尽くした。



「さて、いただこうか」

「ええ」



アルヴィン達が食事を始めようとフォークに手をかけたその時…



――コンコン…



不意に響いたノックの音に、三人は一斉に視線を扉に向けた。
< 100 / 158 >

この作品をシェア

pagetop