運命の恋


あの日以来、ロアはほとんど毎日のようにアルヴィン達と食事をとるようになっていた。



そしてごくたまにだが、セルマに対して笑いかけてくれる事があった。



セルマにとって、日を追うごとにどんどん明るくなっていくロアが嬉しかった。



しかし…



それと同時にロアの体には少しずつ別の変化が起こっていた。



「コホッ、コホッ…」

「…っ、姫様ッ!」



顔色を変え一目散にロアのもとに駆け寄るセルマ。



「大丈夫よ…アランが心配するから…」



そう小さな声で囁くと、ロアはちらりとアランを見た。



ロアの背中をさすりながら、セルマも横目でアランの姿を瞳にとらえる。



そこには、椅子から立ち上がり心配そうにこちらを見つめるアランの姿があった。



「…わかりました」
< 112 / 158 >

この作品をシェア

pagetop