運命の恋


最近、ロアは度々発作を起こすことがあった。



命の期限が迫っているロアの体に起こる発作が、セルマは心配で仕方がなかったのだ。



そのため少しの咳でも敏感になっていた。



セルマはロアの体にショールを掛けると、再び笑顔を作りアランのもとへと戻った。



「ロア様は…大丈夫ですか?」

「………」



アランの美しい銀色の瞳に、セルマは一瞬だが躊躇してしまう。



以前その目でロアの発作を見ているアランは、セルマのロアに対する態度などから何かしら思っている事はあるだろう…



しかし、ロアの予言の事は他言無用…そうアルヴィンに言われているセルマはきっぱりと言った。



「はい、ご心配には及びません。姫様は少し風邪をひかれているので悪化しないかと心配だったもので」



しばらく無言で自分を見つめるアランの瞳…
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