運命の恋


何度言ってしまいたいと思った事か…



しかし、予言ばかりはアランに伝えてもどうなる問題でもない。



むしろ…そんな運命を背負うロアから離れていってしまうかもしれない。



そう考え、セルマは何度も何度も思い直してきた。



「……そうですか。最近は冷えますからね」



そう言うと、アランはロアのもとへと歩いていった。



(聡明で…お優しい方…)



聞きたいことは沢山あるはずなのに…



セルマやロアの事を考え何も聞かないアラン。



そんな彼の後ろ姿を眺めながら、セルマは申し訳ないと思いながら、感謝せずにはいられなかった…
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