運命の恋
「なら…お前はなぜロアを外へなど連れ出した…ロアの発作、知らない訳ではなかっただろうッ!」
――ズキリ…
アルヴィンを掴むアランの手が、徐々に下へと下がっていく…
「お前を…信じていた…」
俯くアランの耳に辛うじて届いた声…
その言葉に…アランは自分を呪った。
そして次に耳に入ってきたのは、あまりにも残酷な一言…
「もうロアに近づかないでくれ…」
20歳の宴の日まで後2ヶ月…
その日俺は…全てを失った気がした。
耳に聞こえるのは…泣き叫ぶ王妃様の声と、冷たい…雨の音だけ…