運命の恋
――――――
「姫様、お食事です」
「……」
「姫様…」
「いらないわ…」
そう言われ、セルマは何も言わず運んできた朝食を再び運んでいった。
(ごめんなさい…セルマ…)
誰のせいでもない…そんな事わかっているのに…
あなたのいない世界が、こんなにも寂しいだなんて…
あの日から、ロアはずっとベッドに寝たきりになっていた。
起き上がる気力も、食事をする気力も湧かず、ずっとぼんやりと天井に眺めていた。
アルヴィンもフェリシアも、何度も部屋へ足を運んではいるがロアに気力を取り戻す事はできなかった。
ロアがこうなった原因―それは誰もがわかっていたが、誰もその人物の名を口にする事はなかった。