運命の恋


そんなロアにセルマはこれ以上何も言えず、ロアの背中に小さくお辞儀をすると部屋を後にした。


「20歳の誕生日、か」



20年…あっという間だった…



ロアは自分が過ごしたこれまでの時を思い出していた。



自分の運命を呪った事もあったが、今は別に生きたいなどとは思わなくなっていた。



「私が生まれた事に…意味はあったのかな…」



ロアの消え入るような小さな声は、ロアの涙と共に空に消えていった…


―――――


「あなた…ロアの誕生日だけど…」

「んん…」



フェリシアは私室のテーブルに腰掛け、正面に座るアルヴィンに語りかけた。



「あのコのために、何かしてあげられないかしら…もし…もし最後だとしても…」



―――ドンッ!
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