運命の恋
アルヴィンが机を叩く音が、フェリシアの美しい声をかき消した。
「最後なんて…そんな事まだ決まったわけではない…」
アルヴィンの年を感じさせない凛々しい顔に、フェリシアは不覚にも胸が高鳴った…
やはり、父親でありながらこの国の王。
アルヴィンの言葉には人を安心させる不思議な魅力があった。
「めでたい20歳の誕生日だ…何か…盛大に祝ってやろう」
そう言うと、アルヴィンはそっと愛する妻の手を握った。
「ええ…」
もし予言通りだとしても…
愛する娘のために何かしてあげたい…
フェリシアの瞳に浮かぶ涙をそっと指でふくと、アルヴィンは優しく彼女の体を抱きしめた…
「大丈夫だ…」
「ええ…」