運命の恋
「どうしたんです…そんな顔をして」
自分の手にそっと自分の小さな手を重ねてくるフェリシアの体を優しく抱き寄せると、アルヴィンは愛しい妻に向かってその重い口を開いて語り始めた。
「ロアのドレスを作りたくはないと言われてしまった」
フェリシアは黙ってアルヴィンの話を聞いていた。
「仕立て屋から話があると言われたという事をセルマに話たら一緒に話を聞きたいと言ってな…」
「……彼女は本当にロアの事を思っていてくれていますから」
フェリシアは優しく微笑んだ。
「もう一度彼を説得すると出て行ったよ」
先ほどここへくる時にすれ違ったセルマを思い出し、フェリシアはそういう事かと納得した。
「そういう事でしたら…」
フェリシアはアルヴィンの体にそっと腕を回した。