運命の恋
あの人なら…
そんなセルマの目に、太陽に照らされ美しく輝く銀色の髪が映った。
(見つけた…)
「アランさんッ!」
庭にあるベンチに腰掛けていたアランは、自分の名を呼んだ人物に目を向けた。
「あなたは…」
はぁはぁと息を切らしながらアランに近づくと、セルマはぺこりとお辞儀をした。
「何か?」
優しい笑顔で自分を見つめるアランにセルマは不覚にも胸が高鳴ってしまう。
「あの…」
どうしてだろう…
さっきまでは言いたい事が山のように頭の中を駆けめぐっていたのに。
「ロア様のドレスの事、ですか?」
「え…?」