運命の恋
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アランがセルマにロアのドレスを作らせてほしいと言った日。
その日から、アランは毎日ロアの元に訪れた。
アラーナの採寸が終わっても変わらずアランはロアの元に足を運んだ。
特に何をするわけでもなく、ロアに声をかけては少し話をして帰るという事の繰り返しだ。
アランが訪ねてくる時は、セルマもロアの部屋にやってきてお茶を煎れてくれた。
セルマが煎れてくれたお茶を飲みながら三人で話すというのが日課になっていた。
しかし、三人で話すといってもロアが口を開くという事はまずなくほとんどアランとセルマが話している。
それでもアランは毎日訪れるのだ。
「姫様…」
アランが帰った後、お茶の道具を片付けながらセルマが話しかけた。
「アランさん、素敵な方ですね」