運命の恋
まだあどけなさの残るその表情から、みるみる血の気が引いていった。
『20歳の誕生日に………その生涯を閉じる…』
「いやッ!!!」
老婆の声が頭の中で何度も何度も繰り返される…
(私……死んじゃうの…?)
その日ロアは、自分が背負った運命の残酷さに涙が止まる事はなかった…
それから一年後。ロアは原因不明の高熱に侵され、生死の境をさまよった。
それ以来、ロアの顔から笑顔が消え、城の奥で部屋から全く出ることなくひっそりと暮らしているのだ。
私は20歳で死ぬ…
もともと決められた運命なら、それに従うしかない…
幼いながらに、ロアは自分の悲しい運命を受け止め、そして周りのものすべてに心を閉ざしてしまった…