運命の恋


小さくて、今にも消えてしまいそうなロアの声。



しかし、アルヴィンとフェリシアのふたりにはしっかりと聞こえている。



予言があってから一度もドレスを着て大勢の人の前に出るなんてことはなかった。



これからも…そんなつもりはなかったのに…



その時…ロアの頭の中にアランの優しい笑顔が浮かんだ…



何が自分をこんな風に変えたんだろう…



セルマの優しさ…?



お父様とお母様の涙…?



ううん…



『ロア様』



ロアの20歳の誕生日まであと半年。



運命の歯車は、確実に回り続けている…
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