運命の恋


――――――


ロアの部屋を訪れたアランは早速ロアの採寸に取りかかった。



自分の道具を持ってきていなかったため、この日は城から借りた道具で大体の採寸だけを行う。



まさか、ロア様のドレスを作るなんて…



アランはちらりとロアを見た。



いつもとは違い、立ち上がり採寸のために長く美しい髪を無造作にまとめたロア。



本当に彼女のドレスを作るんだという実感と、改めて感じるロアの美しさに、アランの仕立て屋としての意欲がかきたてられる。



「では、失礼します…」



そう言うと、アランはロアの腕や肩幅、ウエストなどをはかり始めた。



アランが動くたびに、目の前でサラサラと揺れる美しい銀髪…



近くで見ると細身だと思っていたアランのたくましい腕…



はっとしたロアは、自分が考えていた事に恥ずかしくなり俯いてしまう。



そんなロアの様子に気付いたアランは、下から覗くようにしてロアに尋ねた。
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