運命の恋


「ロア様?」



俯くロアの顔は真っ赤に染まっていた。



「…ッ!」



そんなロアを見て、アランは反射的に顔を離すと熱を帯びた自分の頬を隠すようにロアとは反対の方に体を向けた。



(まいったな…なんでこんな…)



ロアの赤くなった顔を見て、なぜだか自分も恥ずかしくなってしまった。



そして同時に…ロアを可愛いと思った……



お互いに照れあうふたりを見て、やれやれと言った様子でセルマが声をかける。



「姫様、アランさん。そろそろ休憩されてはどうです?
そのままでは仕事もはかどらないでしょう?」



そう言って意味深な笑みを浮かべるセルマに、アランとロアは顔を見合わせると再び頬を赤らめた。



「あ、あの…明日もう一度ちゃんと道具を持ってくるので…」



そう言うとアランは慌てて道具を片付け、ドアの方へと向かった。
< 77 / 158 >

この作品をシェア

pagetop