運命の恋


そんなアランを、少し寂しげな様子で見ていたロア。



すると、そんなロアに気付いたのかアランはドアの前で立ち止まると、優しい笑顔をロアに向けた。



「また…明日来ますから…」



そう言うと、アランは部屋を出て行った。



たった一言…それだけなのに、ロアの心はアランで一杯になった。



駄目だとわかっているのに…



自分の中に芽生えた初めての感情に、ロアはどうしたらいいのかわからなくなっていた。



「さ、姫様はこちらでお茶でも」



セルマにそう声をかけられるまで、ロアはずっとアランが出て行ったドアを見つめていた…



明日、また再び訪れるであろうアランの笑顔を思い浮かべながら…
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