運命の恋
一日も早くドレスを作ってほしいと懇願していたロア。
その理由はわからないが彼女のためにもとアランは必死で手を動かした。
「姫様、アランさん。そろそろお茶にしてはいかがですか?
こちらに準備しておきますから」
「ありがとうございます」
セルマの声に、アランはふっと笑顔を向けるとゆっくりと立ち上がった。
「ロア様も、お茶にしましょう」
立ち上がったアランはロアをソファーへと促した。
アランの言葉頷くと、立ち上がったロアはソファーへと腰を下ろしてセルマが煎れたお茶を口へ運ぶ。
「おいしい…」
小さく囁くように言うロアの姿に優しい笑みを浮かべながら、アランもロアの正面に腰を下ろした。
いつからだろうか…
ふたりで過ごすこの時間がこんなにも居心地がいいと感じるようになったのは…
カップに入った紅茶がユラユラと揺れる様子を眺めながら、アランはゆっくりとロアへ目を向けた。