運命の恋
「ロア様?」
そんなロアの心情に気付くはずもなく、アランは体調が悪いのかと心配そうに見つめている。
アランがロアの部屋に通うようになってからロアは随分と変わった。
前よりもずっと言葉を発するようになり心なしか顔色さえ良くなったように見える。
少しでも長く、あなたと一緒にいたい…
「私…」
膝に置いた手をぎゅっと握りしめながら、俯いたままの状態で必死に口を開いた。
「外に…出てみたい…」
思わず、ロアはぎゅっと目をつぶった。
こんな事をいう自分に驚いて、何よりアランの反応が怖くて…
その時、堅く握りしめたロアの手にふんわりと重なった大きな手…