運命の恋
「今度…一緒に出掛けましょうね」
顔を上げたロアの瞳に映るのは、優しい優しいアランの笑顔…
私…この笑顔が……
運命を受け入れ死を覚悟していたロア。
そんな彼女を優しく照らしたのは、アランのこの笑顔だったのだ。
自分をじっと見つめるロア。
その唇がゆっくりと動く。
「…ありがとう」
その瞬間、アランはなぜか胸が締め付けられるような思いだった。
あなたがまとう雰囲気はこんなに穏やかなのに…
あなたが発する言葉はこんなに優しいのに…
アランをじっと見つめるロアの表情に、笑顔はなかった…
あなたはいったい何を背負っているんだ…?
この時、もしかしたらアランはロアの背負う大きな運命に気付き始めていたのかもしれない…