彼岸花の咲く頃に
渦を巻く炎。

夜空に輝くその光景は、不吉の前兆。

あんな毒々しい炎で山々が焼かれれば、向こう数百年は緑が育たなくなってしまうのではないか。

そんな予感さえさせる。

「あはははははっ!」

形勢が逆転したと考えたのだろうか。

悪狐は高らかに笑った。

「悔しかろう!如何にお前が強かろうと、ここから私が炎を放つのは止められまい!お前が止めに入る前に、山々に炎を撒き散らしてやるわ!」

「やってみぃ」

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