彼岸花の咲く頃に
最早完全に手は詰まった。

虎の子の炎の尾での攻撃すら封じられ、敗色濃厚の悪狐。

その悪狐のもとに、姫羅木さんは跳躍する。

トン、と軽い跳躍。

それでも見上げるほどの上空へと達する。

「っ!」

悪狐が身構える。

残る五本の尻尾を、姫羅木さん目掛けてけしかける!

だがそれも無駄な抵抗。

姫羅木さんの尾が、次々と攻撃を捌く。

数の上ではいまだ劣っているというのに、それを物ともせずに、たやすくあしらう。

そして!

< 111 / 120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop