彼岸花の咲く頃に
え、え?

俺は自分の目を疑う。

まさか。

アッコさんから受け取った時は、確かに硬貨だったのに。

いつの間に石ころなんかに摩り替わった?

考えても考えても答えなど見つかる筈もなく。

俺はふと、こんな芸当が恐らく出来るであろう、姫羅木さんの顔を思い出す。

…化かされた?

小判や金が、木の葉や小石に摩り替わってしまう。

狐や狸に化かされた人間の昔話では、よく聞く話だ。

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