彼岸花の咲く頃に
「別に余所者が住み着くのは構わん。じゃがその余所者が、我が物顔でこの冬城を荒らし、好き勝手するのは勘弁ならぬ。わらわが言うておるのはそういう事なのじゃ」

…こういう話を聞いていると、やっぱり姫羅木さんはお稲荷様なのだと思い知らされる。

その土地にある町を守り、人を守り、自然を守る。

長い年月、冬城を守ってきた善狐。

突然俺の前に現れたのも、この町を余所者から守る為なのだろう。

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