彼岸花の咲く頃に
目を細め、幸せそうな表情。
見る見るうちに四つ入りの稲荷寿司のパックは空になってしまう。
「うむ、美味。馳走じゃったのぅ、千春」
空になったパックを俺に手渡し、またしゃなりしゃなりと歩き出す女性。
…嫌な予感がする。
こういう世間知らずな手合いは、無銭飲食なんかやらかした挙句、お金の概念なんてないとかいうのが、よくあるパターンだ。
しかし。
「おぉ、いかんいかん」
ハタと立ち止まり、彼女は振り向く。
そしてスカートのポケットから500円玉。
「釣りはいらぬぞ、とっておけ、千春」
良かった。
稲荷寿司が1パック198円なのも、ちゃんと理解しているようだった。
見る見るうちに四つ入りの稲荷寿司のパックは空になってしまう。
「うむ、美味。馳走じゃったのぅ、千春」
空になったパックを俺に手渡し、またしゃなりしゃなりと歩き出す女性。
…嫌な予感がする。
こういう世間知らずな手合いは、無銭飲食なんかやらかした挙句、お金の概念なんてないとかいうのが、よくあるパターンだ。
しかし。
「おぉ、いかんいかん」
ハタと立ち止まり、彼女は振り向く。
そしてスカートのポケットから500円玉。
「釣りはいらぬぞ、とっておけ、千春」
良かった。
稲荷寿司が1パック198円なのも、ちゃんと理解しているようだった。