彼岸花の咲く頃に
尻尾の数
一体どこまで連れ去られたのか。

気がつくと俺は、寂れた神社の境内に転がされていた。

…こんな神社は知らない。

ずっと冬城に住んでいたとはいえ、人里離れた山奥まで足を踏み入れた事のない俺は、ここら一帯の全てを知っている訳ではない。

この神社が、どの辺りに位置するのかは皆目見当もつかなかった。

やや頭痛の残る頭に片手を添えて、ゆっくりと立ち上がる。

長時間境内に倒れていたのだろうか。

冷たい石畳に横になっていたせいで、体が冷えている。

寒さで震えが止まらなかった。

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