彼岸花の咲く頃に
「姫羅木曜子(ひめらぎようこ)じゃ」

稲荷寿司を食べ終えて満足したのか、スーパーから出て行こうとして、突然。

彼女は名乗った。

「ここの稲荷寿司はわらわの口に合う。また明日も来るのでな。名前は覚えておいてもろうた方が何かとよかろう」

「はぁ…」

我ながら間の抜けた返事を返す。

この人は何様なのだろう。

心の中の第一声がそれだった。

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