勉強会:いちご塾・課題作品集
◆第一週・赤杉健介講師
十月度課題『四季折々の歌』
風を感じている。
「………気持ちぃい」
思わず声が出てしまったのに、
いつもなら気にするくせに、
気にしない。
スカートがひるがえったって、
気にしない。
ひんやりとして、
空気が澄んで、
どこまでも透って、
気持ちいい。
明度の高い空と、
まだらな雲のバランス。
私が今、
こんな風に感じていられるのは、
きっと、
全部、終わったからだ。
「ふぁあ……気持ちい~」
鳥肌は立つけれど、
この時季が一番好き。
「本当に、高いなぁ……伸ばしても届かないかぁ…」
ぐぅーっと伸ばした手をグーパーして、
高い空に伸ばす。
どこまでも、
どこまでも、
どこまでも澄んだ広い空。
零れ落ちそうな位、
染み込んでくる。
「…………」
倒れ込んで見上げる午後の空は薄く、
ガラスのよう。
「……ふっふふふっふんふっふーふふふふふんふっふー…」
不意に鼻歌が出てしまった。
そうか、
もう、そんな時季だもんね。
「フフフ……」
あたし独り言、言ってる。
ううん。
言ってないけど、
思ってる。
「フフフフ……」
きっと、
冷たい、
風のせいだ。
澄んだ空のせいだ。
この、
冷えた身体のせいだ。
「…………」
どこまでも透明な空気と空は、
鼻先にひんやり、
冷たい。
「………気持ちぃい」
思わず声が出てしまったのに、
いつもなら気にするくせに、
気にしない。
スカートがひるがえったって、
気にしない。
ひんやりとして、
空気が澄んで、
どこまでも透って、
気持ちいい。
明度の高い空と、
まだらな雲のバランス。
私が今、
こんな風に感じていられるのは、
きっと、
全部、終わったからだ。
「ふぁあ……気持ちい~」
鳥肌は立つけれど、
この時季が一番好き。
「本当に、高いなぁ……伸ばしても届かないかぁ…」
ぐぅーっと伸ばした手をグーパーして、
高い空に伸ばす。
どこまでも、
どこまでも、
どこまでも澄んだ広い空。
零れ落ちそうな位、
染み込んでくる。
「…………」
倒れ込んで見上げる午後の空は薄く、
ガラスのよう。
「……ふっふふふっふんふっふーふふふふふんふっふー…」
不意に鼻歌が出てしまった。
そうか、
もう、そんな時季だもんね。
「フフフ……」
あたし独り言、言ってる。
ううん。
言ってないけど、
思ってる。
「フフフフ……」
きっと、
冷たい、
風のせいだ。
澄んだ空のせいだ。
この、
冷えた身体のせいだ。
「…………」
どこまでも透明な空気と空は、
鼻先にひんやり、
冷たい。