守って
約束の時間は17時半。

あたしは急いで帰って待ち合わせ場所に行ったんだけど…。

「留衣、何分私を待たせる気?35分も待たせてるじゃない」


怖い笑みを浮かべた母の顔は今でも忘れたことはない。

「では、お嬢様。参りましょう」


ニッコリ笑った神沢は、あたしに手を差し伸べ、車に乗せた。

神沢は、あたしが5歳の頃に来た執事。
今、あたしは16歳で神沢は19歳。

歳も近いせいか、悩みなども分かってくれたりする良き理解者。

あたしはそんな神沢に恋心を抱いていた。
< 3 / 14 >

この作品をシェア

pagetop