【コメコン】コメディ・コンプレックス
 


オレは、オレを指差しながら不思議そうな顔を見せる目の前の少女を見た。


すーん!と少女は鼻を鳴らし、鼻の下をゴシゴシと擦る。


瞬間、鼻の下から頬にかけて一本の線がなだらかに描かれた。


「……!」


オレは言葉を失いつつ、そのなだらかな線を見つめていた。


ダムの崩壊。
その水の流れはどこに向かうのだ?


いや、それ以上に鼻水を頬にべったりとつけながら動じない、この少女の心意気。


さぞ気持ち悪かろう?
今すぐ拭きたかろう?


少女の捨て身のその姿にオレは胸がいっぱいになった。
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