Boys Kissシリーズ・『軽いキス』
ぶ~ぶ~言いながら、イスに座った。

「ったく…」

オレはカバンからノートを取り出し、アイツの顔に投げ付けた。

「ぶっ!」

「ほら、見とけ。いくつか書いてきたから」

朝、コイツと部室で二人っきりでいるのは、次の公演の演劇を決める為だ。

いくつか話を書いてきて、それをコイツに見せる。

「8本書いてきたから、最低でも3本選べ」

「わぁお。3本も書くの?」

「役者達が納得するまで書く。それが脚本担当としての役目だ」

同じ演劇部でも、担当によってはバチバチ火花が散る。

それでもトップならば、私情を隠して部に尽くす。

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