丸腰デパート・イケメン保安課
「馬鹿だなぁ!窓を割ればいいじゃないかぁ!」
「ほほほ…それでは次からはそう致しましょう」
そうするの?!

うわぁ…やっぱりわからない!!

まずい…まずいぞ!
巻き込まれたくない!
逃げなきゃ…みんなが御手洗さんに気をとられている隙に…!

私は姿勢を低く保ち、出入口ドアへと向かう。

逃げるに限る!!

「所で坊ちゃま、ワタクシにそちらのおじょうさんをご紹介して頂けますか?」

ああっ!気付かれたぁ!

「お?まだ教えてなかったか?」

教えなくていい!そっとしておいて!私の事は忘れて!!

主任は逃げようとしている私を指し、笑顔で紹介。
「桜田綾美だ!ゆくゆくは俺の嫁になる…」
「なるかぁ!!」

口で言ってもわからないかぁっ!!

「普通に紹介しなさいっ!!」
「ばはぁっ!!」
とりあえず主任に転身蹴!

「っ…綾美…今のは十二指腸までねじれたぞ…」
脇腹を押さえ主任は半笑い。

ちっ、少し外れたな。

「桜田ちゃん、最近本格的だなぁ」
何が本格的?!

「今の武道は何でございましょう?」
「え?空手ですけど…」
ああ、と御手洗さんはうなづいた。
「イギリスにも道場がございました」
「そうなんですか?」
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