丸腰デパート・イケメン保安課
「中途半端だなぁ、綾美は!」
主任は大笑い…。

かくれんぼなんて、中途半端な隠れ場所が普通だよ!
押し入れの中とか木の上とか!

それが普通の子供の限界だろ!


「じゃあ、何の船に乗ったんですよ!」
「マグロ漁船に決まってるだろぉ!」

マグロ…?!
決まってんのかよ!!


「海の上ではワタクシも困り…海上保安庁に連絡しようとさえ」

海上保安庁までもっ?!

「困りましたよ?ミッチーは。次の日は通学日でございましたしねぇ」

…主任の身じゃなくて、学校の心配かよ!

嫌あっ!
やっぱり普通じゃないよぉっ!!


「あの時は大変だった。僕と貢も漁船に隠れたから」
家紋さん達も?!
「昴は眠いからと参加しなかったんだったなぁ!」
…その頃から眠り病だったんだ。


「僕、5歳だったんですよね?はっきり覚えてますよ〜」

貢さん?!笑えるの?!
ヘタすれば誘拐拉致事件ですよ?!

マグロ漁船なんて…もはや犯罪者の高飛びの領域じゃないかぁ!

「救命ボートで脱出したんだったな!」
「貢、怖いと泣いたんだ」
「え〜!恥ずかしいなぁ」

恥ずかしいじゃないよ!
生きてて良かったな!じゃないの?!
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