丸腰デパート・イケメン保安課
大体、朝方5時にランニングがてら出勤する人なんて、主任だけだよ。
非番の日まで居るしさ。

でも何だろう…。

必ず居る人が居ないと逆に気になる。
って言うか、朝から主任へのツッコミが日常だったから…朝から不完全燃焼気味。

ダメだ!待て!
そういう日常に溶け込んで物足りなさを感じちゃダメなんだってば!

…いいじゃない?
朝から静かでさ。

思い込ませつつ、自分のデスクに座る。


でも、主任と同居してる家紋さんまでもがまだ来てないなんて…。

ううっ…気になる。


「お早うございます」

この声は…。

「家紋さん!」
「ああ、桜田さん。お早うございます」
「お早うございます…あの…」

うっ!
私…今、主任は?って聞こうとした?

ダメだって言ったじゃん!綾美!!
私は全っ然!主任なんか気にしてないんだから!

「みなさん、本日は残暑がキツイ日なので、おはようかき氷にしてみましたぁ」
貢さんが、色とりどりのシロップのかかったかき氷をトレイに乗せ、爽やかな笑顔で登場。

…朝からかき氷ってヘビーだなっ!
しかも緑や赤、黄に青のかき氷の中、一点だけが…。

「…ソレ、何味のかき氷なんですか?」
< 119 / 382 >

この作品をシェア

pagetop