丸腰デパート・イケメン保安課
普通…普通の会話だ。

「どのくらいぶりですか」
「そうだなぁ…飲みに行ったきりだから…一年くらいか」


ああ、やっぱり普通。
って言うか、主任が敬語で話してる!

当たり前か、先輩だし?
でも、普通の主任って有り得ない。

ちょっと怖い?

めちゃくちゃな事言わないと主任らしくない…気がするのは私だけかな。

主任と更科さんは、笑いながら会話を続けてる。
「そうか!100年くらい久しぶりなんですね」

100年?…やっと主任が出た?!

「相変わらずだなぁ、東は。適当な事をシラフで言いやがって」

慣れてる?!

「ああそうだ!先輩もやりますか?輪投げ」
フラフープだよ。
「でかすぎるだろ?無茶苦茶だなぁ、お前は」


…………。


多分、何かしっくりこないのは、更科さんの返答が普通すぎるから?


違う!普通はこうなんだよね?!

私、保安課に来てからまともな会話って聞いてなかったから違和感あるんだな。
いかに自分が普通から遠ざかっていたか…今更自覚。

でも、いつも通りの主任の言葉に、安心感を覚えてる私もいるんだよね。

主任はやっぱり、めちゃくちゃじゃなきゃって。
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