丸腰デパート・イケメン保安課
「何ですか?引きずってるって」

聞いてみた。
だって気になるもん。

家紋さんは、言いづらそうに頭をかいた。

貢さんもうつむいてるし、栗田さんまでプレステのリモコンを置いてため息。
敏腕課長は寝てるけど…。

何なのっ!もうっ!

こういう空気は保安課には似合わない!
逆に居ずらい!

「どうしたんですか?変ですよ?主任もみんなも!」

わかんないよ!どうしちゃったの?

「桜田さん…笙には今から話す事を言わないと約束できますか?」
「約束?」

主任に言わない?

「笙は、いつかは桜田さんに話すとは思いますが…僕から聞いた話とは言わないで頂きたいんです」
「なぜですか?」
わかんないよ…言わないでと言えば言わないけど…。

「主任が悲しむからだ」
貢さん?
主任が悲しむって…。
「…主任はさ、本気で桜田ちゃんを好きなんだ」
栗田さんが、敏腕課長を抱いて立ち上がった。

ドキリとした…主任が本気って…。

「だからいつかは話すと思う。でも重い話だから、桜田ちゃんの為には今、話しておいた方がいいんだ」


うつむく家紋さんを見た。
重い話…。

更科さんの登場からって事は、多分、刑事時代の話なのかな。
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