丸腰デパート・イケメン保安課
引きずってるって事は、主任にとっては辛い過去?

更科さんはそれを知っている人。
だから主任は何か変なんだ…。

「でも…それを私が聞いてもいいんですか?」
主任は隠したいんじゃ…。

私の不安に、家紋さんは微笑した。

「必ずいつか、桜田さんは笙から聞く時が来ますから。だから、僕から聞いたとは言わずにいてほしいんですよ」
「…主任は、私に話すんでしょうか?」

いつも変な主任が。


「話すよ」
貢さんも笑う。
何でみんな、そんな断言できるの?

「だって、桜田さんは主任の妻になる…」
「なりません!」
行き着く理由はそれかよっ?!

何でみんな私が主任と結婚するって信じられるのよっ!
毎日断ってるの知ってるよね?

大企業東グループの次男坊で、顔良しスタイル良しモデル級の主任は、そりゃ確かに理想の男性かもよ?
でも私は、そういうのにつられて結婚するつもりは無いし!

私は、普通の日常の中で幸せを得たいの!
主任とだと、普通の日常すら得られないじゃない。

今だってすでに普通じゃないんだから!

「桜田ちゃんは主任が嫌い?」
「へ?」

栗田さんからの唐突な質問!
何?何でみんなで主任を薦めるのよ!
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