丸腰デパート・イケメン保安課
更科の言葉に、父親の肩がビクリと動いた。
「…不渡りなんて…誰がそんな…」
力無い声で吐き、握りしめた拳を更に強く握る父親…。
更科は悟った。
政治家の権力が、先手を打ってきた事を。
「…どうしてだ!何で急に逮捕を望まないなんて!」
事件現場の公園のベンチの前、笙は右往左往に歩きながら悔しそうに舌打ちをした。
ベンチに身体を預け煙草に火を付けた更科は、煙を吐き出しながら晴れた空を見上げた。
「わかんねぇか?」
「全くわかりません!」
地面を蹴りだした笙に、更科は説明をする。
「米田さんとこの工場、不渡り出したんだよ」
「それが事件と関係が?それに否定していたじゃないですか」
「否定せざるを得ないんだよ。不渡り分を払った金は、俺達には言えねぇトコから出てるからな」
「言えない金って?」
まだわからない笙に、更科はため息をついて見せた。
「示談金とでも言うかな」
「示談…事件の示談金…?!」
そうだと更科はうなづいた。
「黒岩が先手を打ったんだ。金をやるから事件を忘れろ…ってな」
「……それは…香奈ちゃんの両親が…金で…香奈ちゃんの犯人逮捕の想いを…売ったって事…で?」
「……そうだ」
「…不渡りなんて…誰がそんな…」
力無い声で吐き、握りしめた拳を更に強く握る父親…。
更科は悟った。
政治家の権力が、先手を打ってきた事を。
「…どうしてだ!何で急に逮捕を望まないなんて!」
事件現場の公園のベンチの前、笙は右往左往に歩きながら悔しそうに舌打ちをした。
ベンチに身体を預け煙草に火を付けた更科は、煙を吐き出しながら晴れた空を見上げた。
「わかんねぇか?」
「全くわかりません!」
地面を蹴りだした笙に、更科は説明をする。
「米田さんとこの工場、不渡り出したんだよ」
「それが事件と関係が?それに否定していたじゃないですか」
「否定せざるを得ないんだよ。不渡り分を払った金は、俺達には言えねぇトコから出てるからな」
「言えない金って?」
まだわからない笙に、更科はため息をついて見せた。
「示談金とでも言うかな」
「示談…事件の示談金…?!」
そうだと更科はうなづいた。
「黒岩が先手を打ったんだ。金をやるから事件を忘れろ…ってな」
「……それは…香奈ちゃんの両親が…金で…香奈ちゃんの犯人逮捕の想いを…売ったって事…で?」
「……そうだ」