丸腰デパート・イケメン保安課
「払うんです!間違ってる!金で事件を忘れろなんて!」
「……払うって…お前がか?」
「払いますよ!一千万でも二千万でも!それで香奈ちゃんが安心できるなら…」
「―っ!馬鹿かっ!!」
更科の怒号に笙は動きを止めた。
うづくまっていた上半身を起こし、更科を見上げた。
「払って何になるんだよ!!金の問題じゃねぇんだろ?!お前…黒岩と同じ事すんのかよ!」
「……でも…このままなんてひどいじゃないですか…香奈ちゃん…いい子なのに…悔しいですよ…」
泣き出しそうな笙を見下ろし、更科はため息をついた。
「馬鹿野郎…俺だって悔しいに決まってんだろ…」
だからと言って、組織の末端の自分達に何ができるだろうか。
できる事と言えば、黒岩が金を渡した証拠を掴む事。
たとえ鑑識からのDNA鑑定結果が黒と出ても、上に握り潰されるに決まっているのだ。
それに今は、黒岩の目がある。
うかつに動けば、身動きが取れなくなる。
「東…今は、署に戻るぞ」
時期を待とう。
更科は唇を噛み締めた。
しかし、一番望まない結末が二人を待っていたのだ。
「……払うって…お前がか?」
「払いますよ!一千万でも二千万でも!それで香奈ちゃんが安心できるなら…」
「―っ!馬鹿かっ!!」
更科の怒号に笙は動きを止めた。
うづくまっていた上半身を起こし、更科を見上げた。
「払って何になるんだよ!!金の問題じゃねぇんだろ?!お前…黒岩と同じ事すんのかよ!」
「……でも…このままなんてひどいじゃないですか…香奈ちゃん…いい子なのに…悔しいですよ…」
泣き出しそうな笙を見下ろし、更科はため息をついた。
「馬鹿野郎…俺だって悔しいに決まってんだろ…」
だからと言って、組織の末端の自分達に何ができるだろうか。
できる事と言えば、黒岩が金を渡した証拠を掴む事。
たとえ鑑識からのDNA鑑定結果が黒と出ても、上に握り潰されるに決まっているのだ。
それに今は、黒岩の目がある。
うかつに動けば、身動きが取れなくなる。
「東…今は、署に戻るぞ」
時期を待とう。
更科は唇を噛み締めた。
しかし、一番望まない結末が二人を待っていたのだ。