丸腰デパート・イケメン保安課
「主任にそんな事が…?」

家紋さんから話を聞いた私は、当然半信半疑だった。
だって、いつも馬鹿やってる主任にそんな辛い過去があるなんて。

信じられない…。

でも、本当なんだよね。
多分…。

主任は自分を人殺しだなんて…そんな風に今も自分を責めてるんだ…。

「だから主任…いつも騒いで馬鹿やって…」
「それは関係ないよ」
貢さんが否定した。
「それは主任の本質だもん」

本質か?!

「まぁ…以上が東伝記の内容となります」
「まるで保険の説明の様な!!東伝記って!」
「朗読ですが」
「嘘話かっ?!」
「信じるか信じないかは桜田さん次第です」

また意味深な事を吐く!ストーリーぶち壊し!!

「桜田ちゃん、ホントの話だって」
栗田さんが微笑した。

「信じられないなら、幸子に聞けば教えてくれる」
「幸子ってどこにいるの!」
「……今は、おそらくあの場所に」
「?!昴さんっ!!」

いつの間に起床してきた?!
そして、あの場所ってドコ?!


あ――っ!!嘘っぽい!
みんなが言うと嘘っぽいなぁ!!



「皆の者出迎えろ―!殿様のお帰りだぞ―!」

あ……主任が帰って来た。
しかも偉そうに。
そしていつも通りに。
< 173 / 382 >

この作品をシェア

pagetop