丸腰デパート・イケメン保安課
私の疑問に、家紋さんが立ち上がった。
「そうでしたか?課長は…今どこにいるのか…」


「敏腕課長か?その辺でウンコでもしてるんじゃないのか?」
鉄アレイを振り回しながら主任は笑う。

ウンコって何?!しかもその辺かよっ!
敏腕と言いつつ侮辱するなよ!主任!

褒めたいのか、けなしたいのか、どっちなんだよっ!あんた!

「そうかなぁ…ウンコかな?」
家紋さん?!


「みなさ〜ん!おはようコーヒー入りましたよっ」
課長捜索思考中、貢さんがトレイにコーヒーを持って現れた。

おはようコーヒー?それを言うならモーニングコーヒーじゃ?
ホントにアメリカ人のハーフか?


「貢、課長知らねぇ?」
栗田さんの質問に、貢さんは首を傾げた。
…かわいいなぁ、男のくせにっ。

「敏腕課長?」
あっ!貢さんも敏腕って言った!

「課長は…鮮魚の厨房にでも行ったんじゃないのかな?」

鮮魚の厨房?

「パートのおばさんが、余った刺身の端とかくれるらしいし…」

余った刺身?!
ソレ貰いに行くの?!敏腕課長と言われる人がっ!
どんな課長だよっ!

でもまぁ…これほど変わった人が集まる保安課だもん。
もはや驚かないよ?私は。
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