丸腰デパート・イケメン保安課
ドアから出て来たのは…髪を振り乱し、白い布を身体にまとった……!!


「いやあ―――!!ユーレイィィっっ!」


思わず無意識に、隣にいた主任の服をつかんでしがみついた私っ!

リングだよっ!

私の頭の中で曲が流れる。

♪来る♪きっと来る〜♪

来たよっ!!来たんだよっ!来ちゃったんだよっ!
井戸の底から!!


そのリングの人は、硬直する私に気付いた。



ズルズル―ズズッ――…。

布を引きずりつつ、まっすぐにこっちへ向かって来る…。


いやああぁっ――!!
来ないでえぇっ!



「おっはよ!昴さん」
栗田さんが笑顔で言った。


ヘ?…昴さん?

「お早うございます、昴さん。珍しいですね?朝に起床なんて」
「夜行性なのに」
貢さん?家紋さん?

「龍王に飯をやらないと…」
リングの人…いや、昴さんが呟く。

リュウオウ?何ソレ…魔界の悪魔?

餌って…人間?


「昴!儲かってるか?」
私の隣で、主任が鉄アレイごと手を振る。

儲かってるかって何だよっ!
前フリ無しで金銭の話かよっ!


「まぁ…ぼちぼちだ」

ぼちぼち?!
答えてるよ!

全く持って訳わかんないなぁ!!
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