丸腰デパート・イケメン保安課
私、信じてた?

主任なら、必ず来るって心では信じてたの?

どうなんだろ…。

でも、今ほど主任が普通じゃなくて良かったと思う時はないよ!

主任は笑いながら私の前に屈み込んできた。
「飲むか?ビール」
差し出されるジョッキ…。

「…………うん、飲む」
うなづいてジョッキを受け取った。
いつもなら、いらないって言うんだけど…。

道端、街灯の下。
道路の隅に主任と並んで座った。


「…誰かにね、つけられたの…足音がずっとつけてきてて、すっごい怖かったんだよ」
ビールを飲んで落ち着いた私は、主任に事情を説明した。
「何?!誰だっ!」
「わかんないから怖かったの!」
「…くそ!そんな野郎は俺が挟んで、まぶして揚げて並べてやる!」

どんな拷問だ!あんた元・刑事だろ?

「まぁ、俺の綾美が無事で良かった!」
主任の大きな手が頭を撫でる。
何となく安心した…でも、俺の綾美は余計だ。

「ほら!綾美」
座る私の目の前に、主任が背中を向けて座った。
何?

「疲れたろ?おぶって送ってやる」
「えぇっ?」
いいよ!恥ずかしいよ!!
「腰が抜けたんだろ?遠慮するな!」

腰が抜けたのは、突然出て来た主任が原因だけど?
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