丸腰デパート・イケメン保安課
でも、そこまで言うなら…甘えとく?
実際まだ膝が震えてるし。

「軽いなぁ?綾美は」
私を背負った主任は、まるで一人の時同様に身軽に歩く。
筋トレしてるしな、この人。

「ストーキング野郎は、俺が必ず捕まえてやるからな!成仏しろよ!綾美!」
「死んでないよっ!!」
勝手にストーリー作るな!

でも、主任の大きな背中に揺られる私は、確かに安心してた。
包み込んでくれるたくましい背中、伝わる体温…この人、こんなに暖かい人だったかな。
こんなに頼れる人だったんだ…。

目を閉じた。伝わる振動と、主任の心音が心地いい。

「主任」
「何だ?」
「…ジョッキ、忘れちゃったよ?」
「かまわん。明日、花でも挿しておけばいい!」
「事故現場かよっ!」


……こういう所がなければなぁ。









「と言う訳だ!何が何でもストーキング野郎を捕まえるぞ!」

次の日、出勤した私を待っていたのはこんな展開!!

「捕まえるって…警察に任せますよ!」

その方が犯人の為にもいいんじゃ?

「何言ってる、綾美!俺は元・刑事だぞ?」
それはそうだけど!

「いいじゃん、俺達で捕まえちゃえ」
栗田さん?
軽く買物をするかの様に?!
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