丸腰デパート・イケメン保安課
昴さん?は、主任の隣で固まる私に視線を向けた。
乱れた髪の間から光る目…怖いっ!

天然痘ウィルスに感染するのは嫌ぁ!

お願いっ!
せめて髪をかきあげて下さい!
全然顔見えないからっ!

「…誰?」

…誰?とか聞かれちゃったけど。

自己紹介した方がいいの?
でも何か、この空気で…気が乗らないなぁ…。

「なんだぁ?知らないのか?昴ってば!世の中舐めてる〜」

主任はからかい口調で笑った。

知ってたら逆に怖いって。お互い初対面だっつーの。
この男が1番空気読めてないし…主任のくせに。
世の中舐めてるのはあんただ!


「このかわいこちゃんは桜田綾美!!俺の婚約者〜…」
「違うだろぉがぁ――!!」
どさくさまぎれに肩を抱いてきた主任に肘パンチを入れた。
顔じゃなくてミゾオチに。
「――っつぅあっ!!」

主任は、腹を押さえて転がった。
「今ので、十二指腸が十三に…」
数の問題?!

「っく!―…いい拳…さすが拳王…」
「北斗な訳あるかっ!空手だあっ!」


「今ので北斗と突っ込み入れる事が出来た時点で、相当ですよ?桜田さん」
「世紀末だね、ある意味」
「ちなみに俺は南斗だけどね」


やっかましぃわ!!
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